概要
理念
地域に根ざしたリハビリテーションを実践します。
基本方針
- 「地域包括ケア」の一翼を担います。
- 急性期から回復期、維持期、終末期リハビリテーションまで一貫して関わります。
- 当事者に立脚します。
- 潜在能力を開発します。
- 自立支援と介護予防を進めます。
- 生活の再建を目指します。
各部署の紹介
病院でのリハビリ | 一般病棟 |
回復期リハビリテーション病棟 | |
緩和ケア病棟 | |
保健福祉総合施設附属リハビリテーションセンター | |
施設でのリハビリ | 介護老人保健施設「みつぎの苑」 |
特別養護老人ホーム「ふれあい」 | |
在宅でのリハビリ | デイサービスセンター |
訪問看護ステーション「みつぎ」 | |
介護予防センター | |
すべての領域に関わるリハビリ | 音楽療法 |
役割
リハビリ部が所属している院内委員会
栄養ケア・マネジメント委員会(褥瘡部会、NST部会、摂食・嚥下部会、口腔ケア部会)、職員教育担当委員会(接遇委員会、患者サービス委員会)、医療安全管理対策委員会、医療関連感染管理委員会、緩和ケアチーム委員会(PCF委員会)、緩和ケア病棟運営委員会、ホスピスボランティア委員会、業務改善委員会、広報委員会
高次脳機能障害・地域支援ネットワーク
広島県高次脳機能地域支援センターとして広島県高次脳機能センター(県立障害者リハセンター)と連携・協力して、尾道・三原医療圏を中心に県内の高次脳機能障害者の診断・評価・治療・リハビリ・社会復帰の支援等を行っています。
広島県リハビリテーション支援センター
当院では平成13年度から、広島県より「広島県リハビリテーション支援センター」の指定を受けています。県内の日常生活圏域における地域リハビリテーション広域支援センター・サポートセンターへの支援、実地研修や専門職派遣、研修会開催、各関係機関との連絡・調整などを行い、広島県全体における地域包括ケア体制の推進を行っています。
地域リハビリテーション広域支援センター
当院では平成13年度から、広島県より尾道・三原圏域の地域リハビリテーション広域支援センターの指定を受け、尾道市や三原市、世羅町をはじめとして近隣の市町や地域包括支援センター、リハビリテーション専門団体との連絡・調整などを行い、広島県の尾三圏域における地域包括ケア体制の推進を行っています。
教育・研修
内部研修
リハの質向上委員会 | リハビリ専門職としての質を高め且つ質の高いリハビリを提供することにより、病院理念の実践に寄与すること、そして、リハビリ部における業務改善、接遇の向上に努め、以て利用者の安全と病院機能の向上に資することを目的としています。 内容としては、「業務改善」「勉強会」「接遇」を3つの柱とし、その他適宜検討を行っています。 |
プレゼンテーション会 | リハビリ部各部署の実働状況の理解と課題の共有を行い、当院リハビリ部の理念を再確認するとともに併せて病院経営参画意識を高めることを目的として、年1回、リハビリ部各部署のプレゼンテーションを行っています。 |
外部研修
- 全国自治体病院リハビリテーション部会研修
- 全国地域リハビリテーション合同研修大会
- 全国訪問リハビリテーション研修会
- 介護支援専門員更新(専門)研修
- 国際福祉機器展
- 終末期・緩和ケア作業療法研修会
- 高次脳機能障害支援事業関係職員研修会 など
院外で開催される研修会にも積極的に参加しています。
学会
- 日本理学療法学術大会
- 日本作業療法学会
- 日本言語聴覚学会
- 全国回復期リハビリテーション病棟研究大会
- 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
- 日本地域リハビリテーション・ケア合同研究大会
- 日本音楽療法学術大会
- 全国国保地域医療学会
- 全国自治体病院施設協会 全国学会
- 全国介護老人保健施設大会 など
学会への参加および研究発表を行っています。
スタッフの声
- 療法士の数が多いぶん、それぞれに得意分野があり、自分が困ったときやアドバイスがほしいときに、すぐに相談できる良い職場です。
- 患者様への関わりだけでなく、ひとが生きる基盤である地域に働きかけることができるので、やりがいがあります。
- 患者様と触れ合っていくなかで、自分自身の未熟さなどを感じることが多いですが、人生の先輩とたくさん出会え、成長させて頂いていると感じています。
スタッフ紹介(2018.4現在)
- リハビリ科医師…5名(常勤3名、非常勤2名)
- 理学療法士…44名
- 作業療法士…31名
- 言語聴覚士…13名
- 音楽療法士…2名
- リハビリ補助者…4名
認定資格
- 介護支援専門員…22名
- 地域包括医療ケア・認定専門職…16名
- 福祉用具プランナー…3名
- 日本浮腫療法協会基礎手技コース習得…4名
- がんのリハビリ研修会修了…2名
- 認定作業療法士…1名
- 日本音楽療法学会認定音楽療法士…2名
- 呼吸療法認定士…3名
- 回復期セラピストマネージャー…2名
- 脳卒中認定理学療法士…1名
各部署の役割
病院でのリハビリ
一般病棟
一般病棟では、脳血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、運動器疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、呼吸器疾患リハビリテーション料(Ⅰ)の施設基準を取得しています。緩和ケア病棟ならびに回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟を除いた139床の入院患者に加え、外来通院患者へのリハビリテーションを実施しています。
リハビリ科医師による指示のもと、病状の管理を行いながら、廃用症候群などの2次的合併症の予防、機能・能力障害に対する早期リハビリテーションを実施しています。
加えて、病棟のスタッフと連携し病棟内での生活活動を高めていくとともに回復期、維持期(生活期)へのスムーズな移行を目指しています。
在宅復帰の際は、在宅生活のイメージづくりや退院後の継続したリハビリテーション等への関りとして、試験外泊に合わせた訪問活動を行うとともに地域での生活を多職種と検討し安心した在宅生活が送れるよう支援しています。
回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟(72床)とは、脳卒中や骨折などの患者様に対して、基本動作(起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなど)や日常生活動作(食事、排泄などの身のまわりの動作)能力の向上による寝たきりの防止と在宅復帰を目的に、リハビリテーションを集中的に行う病棟です。
当病棟に入院を希望される患者様は、脳卒中発症や骨折の手術後の2ヶ月以内であることが条件です。当院は在宅復帰を支援していますので、入院リハや術後にご自宅へ退院(ケアハウスや高齢者住宅なども含む)される患者様を優先させていただいています。
当病棟では医師、看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、管理栄養士、薬剤師、歯科衛生士といったチームで、リハビリテーション総合実施計画書を作成します。この計画書に基づきリハビリテーション室や生活の場である病棟内で基本動作や日常生活動作の練習を365日、一人ひとりの患者様の状態に合わせて実施しています。
緩和ケア病棟
緩和ケア病棟(6床)の全患者様に対し理学療法士、作業療法士各1名が毎日午後より、音楽療法士が週2回午後より関わっています。
その人らしさを大切に、患者様、ご家族様のご希望に沿った緩和的リハビリテーションを行っています。患者様、ご家族様にとって良好なQOLを維持するために、多職種と密な情報交換を行っています。更に、よりよい時間をすごしていただけるよう、季節のイベントやボランティア活動の協力にも携わっています。
また緩和ケアチームとして、一般病棟の患者様への緩和的リハビリテーションの提供を行っています。
保健福祉総合施設附属リハビリテーションセンター
リハビリテーションセンターは19床の入院患者様と外来患者様を対象に、リハビリを集中的に行う有床診療所です。施設基準は、脳血管疾患リハビリテーション科(Ⅱ)、運動器疾患リハビリテーション科(Ⅰ)、呼吸器疾患リハビリテーション科(Ⅱ)を取得しております。
リハビリテーションセンターでは、脳血管障害や骨折後の回復期~維持期の方、また在宅生活中、疾病やそれに伴う体力低下により、今までの生活動作が難しくなった方を対象としており、生活の立て直しを行います。心身機能の向上にあわせ、訓練室で獲得された能力をいかに在宅生活に反映させるかを考慮し、日常生活を出来るだけ一人で行えるような取り組みと環境づくり・ネットワーク作りを行います。
入院・外来患者様を問わず、療法士が在宅への訪問を積極的に行い、在宅生活がよりスムーズに行えるようにリハビリプログラムの提案・生活への助言を行い、安心した在宅生活が送れるように支援していきます。
施設でのリハビリ
介護老人保健施設「みつぎの苑」
老人保健施設みつぎの苑は、入所定員150名(一般棟70名、認知症専門棟30名、ユニット棟50名)、通所リハビリテーション(デイケア)40名を対象に、病状の安定した要介護者などが在宅生活を継続するために、生活リハビリと個別性を重視したケアを提供します。
入所は、主に病院退院後や在宅生活が困難になった要介護者などであり、家庭復帰を目指してリハビリを実施しています。そのためには、入所中から在宅生活を想定した関わりを行っていくことが重要であり、個々の生活動作が自立(または介助量軽減)して行えるような手段・方法を、多職種で連携して行っています。退所前後には施設からの訪問や居宅サービス関係機関への情報提供を実施し、在宅生活へソフトランディングできるように支援していきます。また、家庭復帰後も、短期入所療養介護(ショートステイ)や通所リハビリテーション(デイケア・ナイトケア)で在宅生活を支援していきます。
特別養護老人ホーム「ふれあい」
特別養護老人ホーム「ふれあい」は定員100名(従来棟80名、ユニット棟20名)からなる介護老人福祉施設です。対象となる利用者の多くは年齢80歳以上、寝たきりや認知症等のため家庭では適切な介護を受けることが困難な方々です。専任の理学療法士のほか、言語聴覚士、音楽療法士が状況に応じて関わっております。
利用者100名に対し、それぞれ個別に他職種とのカンファレンスを行うことにより利用者個々の日常生活状況を把握。その後、心身機能・日常生活活動能力(以下ADL)の維持・改善や生活リズム付けのため、療法士を中心として個別機能訓練計画を立案します。
リハビリ内容として、個別リハの場合は関節の拘縮予防を目的とした関節可動域運動や褥瘡予防のためのポジショニング調整、利用者の希望に応じて手芸等の作業活動を行っております。また車椅子・マットレス・テーブルなどの環境や、箸・スプーンなどの自助具を、利用者それぞれに合わせて選定・調整、必要に応じて作成し、利用者のADL能力維持・改善に努めています。集団リハビリでは小グループでの作業活動や音楽療法、風船バレー等のレクリエーションを通じ、利用者の楽しみの機会、他者とのコミュニケーションの場を確保しています。
在宅でのリハビリ
デイサービスセンター
デイサービスでは介護認定を受けて在宅生活をおくられている方々に食事、入浴の機会を提供し、生活自立とQOLの向上が図られるよう体操や作業活動、レクリエーションなどを楽しんで頂いています。毎日約20名の参加があります。
デイサービススタッフには看護師、介護福祉士、介護員、生活相談員、作業療法士がいて、その他理学療法士、歯科衛生士、管理栄養士、薬剤師などの協力もあります。
作業療法士などの支援により、利用者やご家族の希望などを元に生活機能向上を目的とした具体的な目標をたてて関わっています。日常生活の中で役割として出来るようになりたいこと、現状で行っている役割を継続したい、このようなことから自分自身のセルフケアの力を高める目標まで、その方と話をしながら目標を定め、利用時間の中でその目標達成につながるような体操や、動作練習、散歩などより個別性の高い関わりができるようにしています。
訪問看護ステーション「みつぎ」
訪問看護ステーション「みつぎ」より、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問をしています。訪問リハビリテーションでは「ADL・IADLを維持・向上‐在宅生活の安定化支援」、「QOL支援‐その人らしい生活の構築と援助」、「家族・介護者の支援」、「終末期リハビリテーション」を目的として、在宅でリハビリテーションを行っています。訪問範囲は現在、当事業所より移動時間が片道30分程度の方々までお伺いしています。
介護予防センター
「介護予防通所サービス」
介護保険法で要支援1、要支援2の認定を受けた人、又は、基本チェックリストで「事業対象者」と判定された人。
火曜日から金曜日の10時から14時。
「短期集中型通所サービス」
介護保険申請は必要なく、基本チェックリストで「事業対象者」と認定された人、又は、要介護認定で要支援1、要支援2の認定を受けており短期集中型通所サービスのみを利用する人。
月曜日の10時から12時で期間は6カ月。
上記を対象とし、転倒骨折の防止および加齢に伴う運動器の機能低下の予防・向上を図る目的にて身体機能・生活状況を始めとした評価を行い、個別の対象者ごとのプログラム内容を設定し、ストレッチ・有酸素運動・簡易な機器を使用しての運動を実施しています。
療法士は、毎回1名が日替わりで運動実施時に関わっています。 「正しい姿勢・リズムで正しい関節運動、正しい筋肉運動」を第一に、使われなくなっている筋肉を効果的に動かすことで全体的に筋肉の活性化となり、そのことで動作性の向上が図られ、日常生活への自信を高めることで、閉じこもった生活を予防し、いつまでも住み慣れた地域で自分らしい人生を送るための支援を行っています。
すべての領域に関わるリハビリ
音楽療法
音楽療法とは、音楽の持つ心理的・生理的・社会的働きを活用とした治療技法です。主として失語症・構音障害・高次脳機能障害・認知症の方を対象として直接機能面に働きかけるほか、心理的サポートやQOLの向上などを主な目的としています。
平成2年4月よりリハビリテーションの一環として音楽療法を行ってきましたが、現在では日本音楽療法学会認定資格を取得した2名の音楽療法士が常勤し、公立みつぎ総合病院(一般病棟、療養病棟、回復期病棟、緩和ケア病棟)と、保健福祉総合施設(リハビリセンター、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウス、グループホーム)、救護施設などすべての当院関連施設で音楽療法を実施しており、訪問リハビリでは在宅のケースにも関わっています。
集団音楽療法では深呼吸やストレッチ、発声練習、季節の歌・流行歌・民謡・演歌などの歌唱活動、歌にまつわる会話、鈴・タンバリン・鳴子・ミュージックベルなどを使った合奏、生演奏による音楽鑑賞を行い、個別音楽療法では対象者の機能レベルに合わせて歌唱、楽器演奏、生演奏の鑑賞などを行っています。今後もより音楽療法を積極的に展開していく方針です。